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最低賃金の早見表【2026年度】都道府県別の金額・引上げ額・発効日と5年の推移、10月1日に合わせた見直し方

2026年度(令和8年度)の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円です。前の年度から56円上がりました。都道府県ごとの額・引上げ額・発効日と、過去5年の推移を早見表にまとめます。後半では、改定に向けて会社が準備することを、実務の段取りとしてまとめました。見直しは、発効日ではなく10月1日に合わせると、全員を同じ日に切り替えられます。

この記事で分かること

  • 2026年度の最低賃金(47都道府県の額・引上げ額・発効日)
  • 2022〜2026年度の5年の推移と、5年で上がった額
  • 改定の額が分かる時期(目安・答申・発効日)
  • 10月1日の契約に合わせて見直す段取り
  • 事業所ごとに比べる額を固定するチェックシート(サンプル付き)

2026年度の最低賃金(都道府県別)

一番高いのは東京都の1,280円、一番低いのは宮崎県の1,085円です。引上げ額は54円〜65円で、発効日は10月1日から12月2日まで、都道府県ごとに分かれています。比べるのは、働いている事業場のある都道府県の額です。

2026年度(令和8年度)の地域別最低賃金
都道府県金額(円)引上げ(円)発効日
北海道1,131+5610/1
青森県1,090+6110/29
岩手県1,090+5912/1
宮城県1,098+6010/1
秋田県1,090+5910/14
山形県1,092+6010/30
福島県1,094+6110/16
茨城県1,136+6210/18
栃木県1,125+5710/1
群馬県1,120+5710/3
埼玉県1,196+5510/1
千葉県1,195+5510/1
東京都1,280+5410/1
神奈川県1,279+5410/1
新潟県1,108+5810/1
富山県1,119+5710/1
石川県1,113+5910/3
福井県1,112+5910/4
山梨県1,113+6111/1
長野県1,117+5610/2
岐阜県1,121+5610/1
静岡県1,154+5710/15
愛知県1,195+5510/1
三重県1,143+5610/1
滋賀県1,136+5610/3
京都府1,180+5811/16
大阪府1,231+5410/1
兵庫県1,172+5610/1
奈良県1,107+5610/4
和歌山県1,101+5610/3
鳥取県1,090+6010/3
島根県1,092+5910/10
岡山県1,104+5710/2
広島県1,141+5610/11
山口県1,101+5810/8
徳島県1,103+5711/1
香川県1,092+5610/1
愛媛県1,093+6011/1
高知県1,086+6310/29
福岡県1,114+5710/4
佐賀県1,095+6511/15
長崎県1,087+5611/2
熊本県1,092+5812/1
大分県1,096+6111/1
宮崎県1,085+6210/24
鹿児島県1,090+6410/25
沖縄県1,086+6312/2
全国加重平均1,177+56–

出典: 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」。発効日は、都道府県労働局長の決定で変わることがあるので、最新は各労働局の発表で確かめてください。

過去5年の推移

2021年度から2026年度までの5年で、全国加重平均は930円から1,177円へ、247円上がりました。1年ごとの引上げ額は、31円・43円・51円・66円・56円です。上がる額が大きくなっているので、数年前に決めた時給のままの人は、改定のたびに確かめる必要があります。

地域別最低賃金の推移(年度・円)
都道府県202220232024202520265年で
北海道9209601,0101,0751,131+242
青森県8538989531,0291,090+268
岩手県8548939521,0311,090+269
宮城県8839239731,0381,098+245
秋田県8538979511,0311,090+268
山形県8549009551,0321,092+270
福島県8589009551,0331,094+266
茨城県9119531,0051,0741,136+257
栃木県9139541,0041,0681,125+243
群馬県8959359851,0631,120+255
埼玉県9871,0281,0781,1411,196+240
千葉県9841,0261,0761,1401,195+242
東京都1,0721,1131,1631,2261,280+239
神奈川県1,0711,1121,1621,2251,279+239
新潟県8909319851,0501,108+249
富山県9089489981,0621,119+242
石川県8919339841,0541,113+252
福井県8889319841,0531,112+254
山梨県8989389881,0521,113+247
長野県9089489981,0611,117+240
岐阜県9109501,0011,0651,121+241
静岡県9449841,0341,0971,154+241
愛知県9861,0271,0771,1401,195+240
三重県9339731,0231,0871,143+241
滋賀県9279671,0171,0801,136+240
京都府9681,0081,0581,1221,180+243
大阪府1,0231,0641,1141,1771,231+239
兵庫県9601,0011,0521,1161,172+244
奈良県8969369861,0511,107+241
和歌山県8899299801,0451,101+242
鳥取県8549009571,0301,090+269
島根県8579049621,0331,092+268
岡山県8929329821,0471,104+242
広島県9309701,0201,0851,141+242
山口県8889289791,0431,101+244
徳島県8558969801,0461,103+279
香川県8789189701,0361,092+244
愛媛県8538979561,0331,093+272
高知県8538979521,0231,086+266
福岡県9009419921,0571,114+244
佐賀県8539009561,0301,095+274
長崎県8538989531,0311,087+266
熊本県8538989521,0341,092+271
大分県8548999541,0351,096+274
宮崎県8538979521,0231,085+264
鹿児島県8538979531,0261,090+269
沖縄県8538969521,0231,086+266
全国加重平均9611,0041,0551,1211,177+247

「5年で」は、2021年度の額からの上昇額です。出典: 厚生労働省「平成14年度から令和8年度までの地域別最低賃金改定状況」。

改定の額はいつ分かるか

最低賃金は、毎年夏に国の中央最低賃金審議会が引上げの目安を示し、それを参考に、都道府県ごとの地方最低賃金審議会が改定の額を答申します。答申のあと、異議の申出の手続きを経て都道府県労働局長が決定し、発効日から新しい額になります。

目安・答申・発効日の時期
年度目安の答申全都道府県の答申がそろった日発効日
2022年度8月2日8月23日10月1日〜10月20日
2023年度7月28日8月18日10月1日〜10月14日
2024年度7月25日8月29日10月1日〜11月1日
2025年度8月4日9月5日10月1日〜翌年3月31日
2026年度7月28日9月3日10月1日〜12月2日

答申は、例年8月から9月上旬にそろいます。答申の額がそのまま決まるのがふつうで、2023年度と2024年度の答申の取りまとめと、決まった額を見比べると、47都道府県すべてで同じでした。一方で発効日は年によって広がり、2025年度は10月1日から翌年の3月31日まで分かれました。

10月1日の契約に合わせて見直す

労務の現場から

改定に備えるときは、発効日ではなく10月1日をターゲットにします。答申が出た段階で額を確かめ、10月1日からの契約で最低賃金を割らないように見直します。答申と決まる額が大きくずれることはないので、数か月前には動き始められます。

発効日が10月より後の都道府県もありますが、発効日より前に上げるのは会社の判断で、問題はありません。10月1日にそろえておけば、発効日が都道府県ごとに違っても、全員を同じ日に切り替えられます。逆に、発効日が10月1日の都道府県では、遅らせることはできません。

  1. 目安で上げ幅の見当をつける7月下旬〜8月上旬中央最低賃金審議会の目安で、上がる額の見当をつけます。目安を上回る答申も多く、2026年度は33府県が目安を超えました。目安は「少なくともこれだけ上がる」額として使います。
  2. 答申の額で対象者を洗い出す8月〜9月上旬事業所のある都道府県の答申の額と、全員の1時間あたりの額を比べ、下回る人を出します。
  3. 本人の意向を確かめる9月時給が上がると、同じ時間でも月額・年額が増えます。働く時間を今のままにするか、減らしたいかを確かめます。
  4. 契約を更新して知らせる9月中新しい時給や月給で契約を更新し、本人に知らせます。給与の変更は、前月のうちに確定させます。
  5. 10月1日から新しい額にする10月1日10月の給与計算で、全員が新しい額で計算されているかを確かめます。

どの最低賃金と比べるかをシートで固定する

比べる額は、働いている事業場のある都道府県の額です。事業所が複数の県にある会社では、人ごとに「どの最低賃金と比べるか」を間違えないことが大事です。従業員の一覧に事業所や住所の列があれば、そこから都道府県を取り出して、最低賃金の表にぶつけます。事業所の一覧と、最低賃金を貼る表を一度作っておけば、大きく変わることはないので、毎年は最低賃金の表を貼り替えるだけで使えます。

チェックシートのつくり
シート入れるもの毎年の手間
最低賃金都道府県・改定後の額・改定前の額・発効日厚生労働省の一覧から貼り替える
事業所事業所名・住所(都道府県は住所から自動で取り出す)・特定最低賃金事業所が増えたときだけ
従業員10月1日時点の事業所・賃金の形・最低賃金の対象になる賃金・所定労働時間給与のデータから貼る

業種によっては、地域別より高い特定最低賃金が決まっていることがあります。両方が当てはまる人には高いほうが適用されるので、事業所の一覧に特定最低賃金の欄を作っておきます。派遣で働く人は、派遣先の事業場のある都道府県の額と比べます。

10月の異動者に気をつける

労務の現場から

注意したいのは異動者です。所属が変わると、比べる最低賃金も変わります。10月の異動で所属が変わった人を、うっかり見落とさないようにします。

計算例: 10月1日付で、北海道の事業所から東京都の事業所へ異動する月給制の人(月給19万円、平均の所定時間160時間で見る会社)

190,000円 ÷ 160時間 = 1,187.5円

北海道の1,131円なら上回っていますが、東京都の1,280円には92.5円足りません。東京都で満たすには、1,280円 × 160時間 = 204,800円以上の月給が必要です。

月給の人は、何時間で割るか

法律の基準は、「月給 ÷ 1年間の1か月平均所定労働時間」です。1か月単位の変形労働時間制で、月ごとに所定時間が違う会社でも同じです。ただ、平均でぎりぎり上回るだけだと、月の途中で入社・退職した人の給与を「その月の所定日数」で日割りしたときに、平日の多い月は1時間あたりが下がり、働いた時間に対して最低賃金を下回ることがあります。

労務の現場から

年間の所定労働時間がはっきり決まっていて、日割りや欠勤控除の計算まで確認でき、穴がないと言い切れる会社なら平均で見ます。それが難しければ、一番長く働く月で見ておきます。

月給の人を比べるときに割る時間
会社の状況割る時間
年間の所定時間と日割りのしかたまで確認できる1年間の1か月平均所定労働時間
1か月単位の変形労働時間制177.1時間(週40時間の場合の、31日の月の上限)
それ以外の一般的な会社23日(平日が一番多い月)× 1日の所定労働時間。8時間なら184時間

計算例: 東京都(1,280円)で、月給制の人に必要な月給

平均160時間で見ると 1,280円 × 160時間 = 204,800円 / 最長の月で見ると 1,280円 × 184時間 = 235,520円

最長の月で見ると3万円ほど高くなりますが、日割りの月を含めて、どの月でも下回りません。どちらで見るかは、年間の所定時間と日割りのルールを確かめられるかで決めます。

月給・日給の人を1時間あたりに直すときは、通勤手当・家族手当・精皆勤手当や、残業代・賞与などを除きます。除く賃金と計算のしかたは、給与計算の記事の「最低賃金を下回っていないか」で詳しく説明しています。次のツールでも計算できます。

最低賃金を下回っていないかチェック

入力した内容は送信されません(このページの中だけで計算します)

賃金の形

基本給と、毎月決まって払う手当(職務手当・住宅手当など)の合計。通勤手当・家族手当・精皆勤手当・残業代・賞与・臨時の賃金は除きます。

会社のカレンダーの年間休日数。1か月平均所定労働時間 =(365 − 年間休日)× 1日の所定労働時間 ÷ 12

事業場のある都道府県の額。毎年改定され、発効日も都道府県ごとに違います。特定最低賃金がある業種は、高いほうと比べます。

時給が上がると、社会保険と働く時間にも響く

労務の現場から

最低賃金だけを意識していると、社会保険の金額を見落としそうになることがあります。最低賃金が上がると契約が変わる見込みになり、そこで「時間をどうするか」が出てきます。上がった分そのまま超えてもいいのか、それによって時間を下げたいのか。一人ひとりの意向を確かめられるように、数か月前から取り組むことが大切です。

確かめておきたいのは、次の3つです。

  • 扶養の範囲: 家族の健康保険の扶養に入っている人は、年収の見込みが130万円未満(19歳以上23歳未満は150万円未満、60歳以上などは180万円未満)で、同居なら扶養する人の年収の半分未満であることなどが条件です。年収の見込みは、契約の時給と時間から判定されるので、時給だけが上がっても基準を超えることがあります。
  • 勤め先の社会保険: 短時間で働く人の加入の要件のうち、「月額8.8万円以上」という賃金の要件は2026年10月1日に撤廃されました。時給が上がっただけで加入の対象になることはなく、週の所定労働時間などの時間の要件で決まります。
  • 標準報酬月額: 時給や月給の改定は、固定的賃金の変動です。改定した月から3か月の報酬の平均で、標準報酬月額が2等級以上変わると(3か月とも支払基礎日数が17日以上、短時間労働者は11日以上あるとき)、月額変更届(随時改定)の対象になります。10月に改定したなら、12月分までの報酬で確かめます。

計算例: 東京都の事業所で、時給1,250円・1日5時間・月17日の人(家族の扶養に入っている)を1,280円に上げる

1,250円 × 5時間 × 17日 × 12か月 = 1,275,000円 → 1,280円 × 5時間 × 17日 × 12か月 = 1,305,600円

日数を変えないと、年収の見込みが130万円を超えます(通勤手当などがあれば、それも含めて見ます)。同じ日数で働き続けて扶養を外れるか、月の日数を減らすかは、本人が決めることです。改定を知らせる前に、本人と相談する時間をとります。

社会保険の加入の基準や、扶養の判定のしかたは社会保険の記事と次の記事に、月額変更届は社会保険の記事の「保険料が決まるしくみ」にまとめています。

詳しく読む106万円の壁と130万円の壁の違いは?撤廃後に残る「週20時間」と手取りの確かめ方

チェックシートの使い方

サンプル: 最低賃金チェックシート(Googleのスプレッドシート)

2026年度の47都道府県の額を入れてあります。式だけで作っているので、コピーしてすぐ使えます。Excelで使うときは、コピーしたあと「ファイル」→「ダウンロード」→「Microsoft Excel」で保存してください。

スプレッドシートをコピーする(無料・登録不要)

  1. 最低賃金の表を貼り替える「最低賃金」シートに、その年度の都道府県・改定後の額・改定前の額・発効日を貼ります。答申の段階なら、答申の取りまとめの額を貼ります。
  2. 事業所を登録する「事業所」シートに、事業所名と住所を入れます。都道府県は住所から自動で取り出します。住所が都道府県から始まらないときは、都道府県の欄に直接入れます。
  3. 従業員を貼る「従業員」シートに、10月1日時点の事業所、賃金の形(時給・日給・月給)、最低賃金の対象になる賃金、所定労働時間を貼ります。月給の人の時間は、上の表で決めた「割る時間」を入れます。10月1日付で異動する人は、「10月1日からの事業所」にも入れます。
  4. 「下回る」の人を見直す判定が「下回る」の人は、「必要な額」を目安に契約を見直します。時給・日給の人は、週の所定労働時間を入れると、改定後の月額・年額の見込みも出ます。
  • 答申の額を、事業所のある都道府県ごとに確かめたか
  • 10月1日からの契約で、全員が改定後の額を下回らないか
  • 10月1日付の異動者を、異動先の事業所の額で比べたか
  • 月給・日給の人も、1時間あたりに直して比べたか
  • 月給の人を、平均と最長の月のどちらの時間で割るかを決めたか
  • 特定最低賃金がかかる事業所はないか
  • 時給が上がる人に、働く時間の意向を確かめたか

制度の中身は、次の一次情報で確かめられます。都道府県ごとの額と発効日は厚生労働省の地域別最低賃金の全国一覧、2026年度の答申は令和8年度最低賃金額答申、比べる賃金は最低賃金の対象となる賃金と最低賃金額以上かどうかを確認する方法、産業ごとの額は特定最低賃金について、短時間で働く人の賃金の要件の撤廃は日本年金機構のお知らせ、月給の人の換算は最低賃金法施行規則の第2条、派遣で働く人に派遣先の額が適用されることは沖縄労働局の最低賃金制度の説明にあります。この記事の早見表は、毎年、答申と全国一覧の公表に合わせて更新します。

更新履歴

  • 2026年10月17日: 公開(2026年度の額で作成)