育児休業・介護休業の手続きは何をいつまでに?報告から復帰までの書類リストと、産後パパ育休の分け方
社員から妊娠・出産や家族の介護の相談を受けた担当者に向けて、育児休業・介護休業の手続きを、いつ・何をすればよいかの順にまとめた記事です。数年に一度しか回ってこない仕事なので、毎回調べ直している人も多いはずです。本人も大変な時期で、手続きは会社がやってくれるものと思っていることが少なくありません。手続きが正しく終わるかは、会社の事前の準備で決まります。
この記事で分かること
- 妊娠の報告から復帰までの流れと、届け出る書類のリスト(期限つき)
- 本人への説明と意向の確認で、会社がしなければならないこと
- 産後パパ育休と育児休業の分け方を、本人の希望の日付に当てはめる方法
- 育児休業給付と社会保険料の免除の要点
- 復帰の準備と、復帰後に使える制度
- 介護休業と介護休暇の違い、介護の相談を受けたときの考え方
育児・介護の休みの全体像
まず、会社が休ませる義務を負う休み(休業・休暇)を一覧にします。
| 制度 | 期間・回数 | 申し出の期限 |
|---|---|---|
| 産前産後休業 | 産前6週間(多胎は14週間)、産後8週間 | 産前は本人の請求による |
| 産後パパ育休 | 出生後8週間以内に28日まで。2回に分割可 | 原則2週間前 |
| 育児休業 | 子が1歳まで(延長で最長2歳)。2回に分割可 | 原則1か月前 |
| 介護休業 | 対象家族1人につき通算93日。3回に分割可 | 2週間前 |
| 介護休暇 | 年5日(対象家族2人以上は10日)。時間単位可 | 定めなし(当日も可) |
| 子の看護等休暇 | 小3修了までの子に年5日(2人以上は10日)。時間単位可 | 定めなし(当日も可) |
休業中のお金の出どころも制度ごとに違います。産前産後休業は健康保険の出産手当金、産後パパ育休・育児休業・介護休業は雇用保険の給付金です。介護休暇と子の看護等休暇には法律上の給付がなく、有給にするか無給にするかは会社が決めます。
育児休業と産後パパ育休を取った人が両親とも一定の日数を休むと、出生後休業支援給付金が上乗せされます(2025年4月に創設)。休業中の社会保険料は、産前産後休業と育児休業(産後パパ育休を含む)の間は免除されますが、介護休業には免除がありません。
有期契約の人も、子が1歳6か月になるまでに契約が終わり更新されないことが明らかでなければ、育児休業を取れます。労使協定を結べば、雇われて1年未満の人や週の所定労働日数が2日以下の人などを対象から外せますが、協定がなければ外せません。
妊娠の報告を受けたら、まず休みの日付を本人と一緒に並べておくと、書類の準備や業務の割り振りの段取りが立てやすくなります。出産予定日を入れると、産前産後休業・育児休業・産後パパ育休の期間の目安が出ます。
産休・育休の期間を計算
入力した内容は送信されません(このページの中だけで計算します)
報告から復帰までの流れ
妊娠・出産の報告を受けてから復帰するまでを、会社の動きで並べると次のようになります。配偶者の出産で産後パパ育休や育児休業を取る男性の場合も、産前産後休業と出産の給付を除けば同じ流れです。
- 制度を個別に知らせ、意向を確かめる報告を受けたら育児休業の制度や給付、保険料の扱いを本人に個別に知らせ、取るかどうか、仕事と育児の両立についての希望を聞きます。
- 休みの予定と書類をそろえる産休の前まで休業の開始日・終了日の予定を書面で受け取り、必要な書類と期限のリストを作ります。
- 産休の保険料免除を届け出る産休に入ったら産前産後休業取得者申出書を年金事務所(健康保険組合の会社は組合にも)へ出します。
- 出産の給付と育休の手続きをする出産後出産手当金の申請書の会社の欄を書きます。育児休業に入ったら、保険料の免除の申出書を出し、育児休業給付の手続きを始めます。
- 給付の申請を続ける育休中育児休業給付は原則2か月に1回申請します。延長するときは、延長の手続きと保険料の免除の申し出をもう一度します。
- 受け入れの準備をする復帰の1〜2か月前復帰日と復帰後の働き方を確かめ、職場の準備を進めます。
- 復帰後の保険料を見直す復帰して3か月後給与が下がった人は、育児休業等終了時報酬月額変更届で保険料を見直せます。年金の計算を守る養育期間の特例もあわせて案内します。
労務の現場から
育児休業の手続きは、決められた書類を期限までに出すことの積み重ねです。難しいのは、誰も提出のタイミングを教えてくれない点です。どこかから通知が来るわけでも、社会保険の手続きのように漏れたらすぐ何かが起きるわけでもありません。数か月たってから、本人から「給付金が振り込まれていない」と言われて初めて気づく、ということが起こります。
しかも、そこから書類を集め始めると、振り込みはさらに遅れ、本人に大きな負担がかかります。現場では、必要な書類のリストを先に持っておき、時期が来たものから順に進めていきます。
届け出る書類のリスト
会社が届け出る主な書類を、時期の順に並べます。届け出る先と期限は、日本年金機構と厚生労働省の案内に合わせています(健康保険組合に入っている会社は、健康保険の分を組合にも出します)。
| 手続き | 書類(出す先) | 期限 |
|---|---|---|
| 産休の免除 | 産前産後休業取得者申出書(年金事務所) | 産休中か、終了日から1か月以内 |
| 出産手当金 | 出産手当金支給申請書の会社の欄(協会けんぽ・健康保険組合) | 本人の申請に合わせて |
| 育休の免除 | 育児休業等取得者申出書(年金事務所) | 育休中か、終了日から1か月以内。延長のたびに出す |
| 受給資格 | 休業開始時賃金月額証明書・受給資格確認票(ハローワーク) | 初回の支給申請と同時でよい |
| 給付の初回 | 育児休業給付金支給申請書(ハローワーク) | 育休開始日から4か月を経過する日の属する月の末日 |
| 給付の2回目〜 | 同上 | 原則2か月に1回 |
| パパ育休の給付 | 出生時育児休業給付金支給申請書(ハローワーク) | 出生後8週間を経過する日の翌日から数えて2か月を経過する日の属する月の末日 |
| 復帰後の改定 | 育児休業等終了時報酬月額変更届・養育期間標準報酬月額特例申出書(年金事務所) | 復帰して3か月の給与が出た後 |
育児休業給付の申請は、原則として会社がハローワークに出します(本人が希望すれば本人が出すこともできます)。給付は支給が決まってから約1週間で本人の口座に振り込まれるので、申請が遅れた分だけ、本人の手元にお金が届くのも遅れます。
- 出産予定日と、産休・育休の開始日・終了日の予定を、書面で受け取ったか
- 上の表の書類ごとに、自社での期限の日付を書き出したか
- 給付の申請に要る賃金台帳と出勤簿を、すぐ出せるようにしたか
- 健康保険組合に入っている場合、組合にも出す書類を確かめたか
- 育休を延長したとき、保険料の免除の申出書をもう一度出したか
- 休業中の住民税の納め方(普通徴収への切り替え)を、本人の了承を得て決めたか
保険料の免除と、復帰後の標準報酬月額の改定のしくみは、次の記事で説明しています。
詳しく読む社会保険は誰が入る?加入条件の判定から入退社の手続き、算定・月変まで担当者の実務の流れ本人への説明と意向の確認
本人や配偶者の妊娠・出産の申し出があったとき、会社は次の4つを本人に個別に知らせ、育児休業を取るかどうかの意向を確かめなければなりません(2022年4月から義務)。方法は、面談(オンラインも可)・書面の交付のほか、本人が希望すればファックスや電子メールなどでもかまいません。取得を控えさせるような知らせ方や意向の確かめ方は認められていません。
- 育児休業・産後パパ育休の制度
- 申し出る先(人事の担当など)
- 育児休業給付のこと
- 休業中の社会保険料の扱い
2025年10月1日からは、これに加えて、妊娠・出産の申し出のときと子が3歳になる前の時期に、勤務の時間帯・勤務地・両立支援の制度を使う期間などについて本人の意向を個別に聞き、自社の状況に応じて配慮することも義務になりました。
労務の現場から
説明のたびに一から話していては大変なので、制度を分かりやすくまとめた冊子を1つ作っておきます。それを見てもらいながら「取りますか、取りませんか」と聞き、決めるのは本人に任せます。育児休業は本人の権利で、取るかどうかは本人次第です。制度を読んで取りたいと言われたら、取れるように手続きを進めます。
大切なのは、いつからいつまで休む予定かを、具体的な日付で聞いておくことです。希望の期間が、制度に当てはめると取れない日数だったということがあり、後から分かっても取り返しがつきません。取る・取らないは本人に決めてもらい、日付は必ず回収して、制度の範囲に収まっているかを会社が確かめます。
会社の中で使う申出書の書式も、先に決めておきます。届け出る書類は国の様式が決まっているので埋めるだけですが、育児休業申出書・育児休業取扱通知書のような社内の書式は、会社で用意します。長い文を書いてもらうものではなく、休業の期間や休業中の給与の扱いなど書く項目は決まっています。厚生労働省の育児・介護休業等に関する規則の規定例に、社内様式の例と、個別周知・意向確認の書面の記載例があるので、自社に合わせて直して使えば足ります。
産後パパ育休と育休の分け方
男性が子の出生直後に休む場合は、産後パパ育休と育児休業の2つの制度を組み合わせられます。違いは次のとおりです。
| 項目 | 産後パパ育休 | 育児休業 |
|---|---|---|
| 取れる期間 | 出生後8週間以内に4週間(28日)まで | 原則として子が1歳まで |
| 分割 | 2回まで。2回分は最初にまとめて申し出る | 2回まで。その都度申し出る |
| 申し出の期限 | 原則2週間前まで(労使協定で1か月前までにできる) | 原則1か月前まで |
| 休業中の就業 | 労使協定があれば、本人の同意した範囲で可 | 原則なし |
産後パパ育休中に働けるのは、休業期間の所定労働日数・所定労働時間のそれぞれ半分までで、休業の初日と最終日は所定労働時間より短い時間に限られます。給付金を受けるには、28日休んだ場合で就業が10日(10日を超えるときは80時間)以下である必要があり、休業の日数が短ければ上限も短くなります。
本人から希望の日付を受け取ったら、次のように当てはめます。
| 本人の希望 | 取れるか | 当てはめ方 |
|---|---|---|
| 出生直後に2週間、1か月後に1週間 | 取れる | 産後パパ育休の2回分として、最初にまとめて申し出てもらう |
| 出生直後から6週間続けて | 取れる | 4週間は産後パパ育休、残りの2週間は育児休業として申し出てもらう |
| 出生の3か月後から1か月 | 取れる | 8週間を過ぎているので育児休業になる。1か月前までの申し出が要る |
| 産後パパ育休を1回取った後、もう1回追加 | 会社の判断 | 2回目を最初にまとめて申し出ていなければ、会社は断れる(認めてもよい) |
| 育休を2回取った後、もう1回 | 原則取れない | 1歳までの分割は2回まで。延長の要件に当たるかを確かめる |
両親がともに、決められた期間(子の出生後8週間以内。産後休業をした母親は16週間以内)に通算14日以上の育児休業や産後パパ育休を取ると、出生後休業支援給付金が最大28日分上乗せされます。配偶者が働いていない場合などは、配偶者の休業がなくても対象になります。日数が14日に少し足りないと受けられないので、日付を聞く段階で本人に伝えておくと親切です。
休業中のお金
休業中に会社が給与を払わない場合、本人の収入は雇用保険の給付になります。給付の額は「休業開始時賃金日額」をもとに計算します。休業を始める前の6か月の賃金の合計を180で割った額で、母親は原則として産前産後休業を始める前の6か月で計算します。給付の額は「賃金日額 × 休業の日数 × 給付率」です。
| 給付 | 給付率 | 対象の期間 |
|---|---|---|
| 育休の給付 | 67% | 休業開始から180日まで(産後パパ育休の日数を含む) |
| 同(181日目〜) | 50% | 181日目から休業の終わりまで |
| 支援給付 | 13% | 出生後休業支援給付金。要件を満たした休業の28日分まで |
計算例: 休業前の6か月の賃金が毎月27万円(合計162万円)の人が育児休業を取った場合の、30日あたりの給付額
休業開始時賃金日額: 1,620,000円 ÷ 180 = 9,000円 180日目までの30日分: 9,000円 × 30日 × 67% = 180,900円 181日目以降の30日分: 9,000円 × 30日 × 50% = 135,000円出生後休業支援給付金の要件を満たすと、28日分を上限に9,000円 × 日数 × 13% が上乗せされます。賃金日額には上限額があり、毎年8月1日に見直されます。
給付は非課税で、育児休業中は社会保険料も免除されます。厚生労働省は、67%と13%を合わせた80%の給付率で、手取りの10割に相当すると説明しています。
社会保険料は、育児休業を始めた日の属する月から、終わった日の翌日の属する月の前月まで免除されます。月の途中で終わる短い休業でも、開始した月に14日以上休めば、その月の分が免除されます(2022年10月1日以降に始まった休業)。賞与の保険料が免除されるのは、賞与を払った月の末日を含んで、連続して1か月を超えて休業した場合だけです。休業中に賞与を払う予定がある人の扱いは、次の記事で説明しています。
詳しく読む賞与から引く社会保険料・源泉所得税の計算方法は?1人分の計算例と、退職・休業する人の扱い保育所に入れないことを理由に育児休業給付を1歳6か月・2歳まで延長するときは、2025年4月から、保育所の利用の申し込みが速やかな職場復帰のために行われたものと認められることが必要になりました。延長の申請には、延長事由認定申告書と、市区町村への申込書の写し、入所保留の通知書などを添えます。延長を考えている人には、申し込みの段階で書類を残しておくよう伝えます。
住民税も、休業中の扱いを決めておきます。給与が出ない月は、特別徴収(毎月の給与から引く方法)では引くものがありません。現場では、本人の了承をもらったうえで、普通徴収(本人が自分で納める方法)に切り替えると手間がかかりません。休業前の説明のときに、この切り替えもあわせて伝えておきます。特別徴収と普通徴収のしくみは、住民税の特別徴収の記事で説明しています。
戻るときの準備
手続きで気をつけるべきは、休業に入るときより戻るときです。戻ること自体は規定で決まっていても、受け入れる側の準備が整っていなかったり、本人も戻ることに不安を抱えていたりします。復帰は入社と比べてイレギュラーな出来事なので、普段の手順から漏れやすいのです。
戻って早々に、仕事以外のところで不備が起きないよう、当日の受け入れの段取りや、パソコンなどの貸与物がそろっているかを確かめます。新しく入ってくる人と同じように迎えられるよう、準備を進めておくことが大切です。
- 復帰日と、復帰後の勤務時間(短時間勤務を使うか)を本人と確かめたか
- パソコン・社員証・システムのアカウントなど、貸与物と権限を用意したか
- 当日の受け入れ(席・業務の引き継ぎ・最初の面談)の段取りを、配属先と決めたか
- 給与計算ソフトで、休業中の設定を解除し、時短の賃金と保険料の控除を再開したか
- 育児休業給付の最後の申請を済ませたか
- 復帰して3か月後に、保険料の見直しの対象になるかを確かめる予定を入れたか
復帰後に会社が用意しなければならない制度は、子の年齢で変わります。
| 子の年齢 | 会社が用意する制度 |
|---|---|
| 3歳まで | 短時間勤務(1日6時間を含む)。テレワークを選べるようにする努力義務 |
| 3歳〜就学前 | 始業時刻の変更・テレワーク・保育施設の設置運営等・養育両立支援休暇・短時間勤務のうち2つ以上を選んで用意する(2025年10月1日から) |
| 就学前まで | 残業の免除、時間外労働の制限、深夜業の制限(本人の請求による) |
| 小3修了まで | 子の看護等休暇(病気・けが・予防接種のほか、学級閉鎖、入園・入学式、卒園式にも使える) |
2歳未満の子を育てるために短時間勤務をして賃金が下がった人には、雇用保険の育児時短就業給付金(短時間勤務中の賃金の10%)があります。復帰の面談で、短時間勤務とあわせて案内します。育児休業の期間は、有給休暇の付与で出勤率を計算するとき出勤したものとして扱うので、復帰後の有給の日数も確かめておきます。
詳しく読む有給休暇は何日付与する?パートの比例付与から、付与・取得の管理を仕組みにする方法まで介護休業と介護休暇
介護の休みは、目的の違う2つの制度と、働き方を変える制度に分かれます。対象家族は、配偶者(事実婚を含む)・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫で、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態(要介護状態)にあることが条件です。介護保険の要介護認定を受けていなくても対象になりえます。
| 制度 | 向いている場面 | 日数・回数 |
|---|---|---|
| 介護休業 | 介護の体制を整える(施設探し・介護サービスの手配など)ためにまとまって休む | 対象家族1人につき通算93日、3回まで |
| 介護休暇 | 通院の付き添いや、ケアマネジャーとの打ち合わせなど単発の用事 | 年5日(2人以上は10日)。1日・時間単位 |
| 短時間勤務など | 介護を続けながら働く | 短時間勤務・フレックスタイム・時差出勤・介護サービスの費用の助成などから、会社が1つ以上を用意する。利用開始から連続3年以上の間に2回以上使えるようにする |
2025年4月1日から、介護の両立支援が強化されました。会社がしなければならないことは次のとおりです。
- 介護に直面したと申し出た人に、介護休業などの制度・申し出る先・介護休業給付を個別に知らせ、利用の意向を確かめる
- 40歳になる年度など早い段階で、全員に同じ内容を情報提供する
- 研修、相談窓口の設置、利用事例の紹介、利用を促す方針の周知のうち、いずれかを行う
あわせて、介護休暇を労使協定で対象外にできる人から「雇われて6か月未満の人」が外れ、入社直後の人も取れるようになりました。介護休業給付金は休業開始時賃金日額の67%で、申請の期限は、休業の終了日(3か月以上にわたるときは開始から3か月を経過する日)の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日です。
労務の現場から
介護が必要になるのは、高齢の家族のケースが多く、ある程度先の見通しが立ちます。一定の期間、本人が家族に寄り添いたいという気持ちをくめる仕組みを入れておくことが大切です。誰にでも起こりうることなので、会社として当たり前に休ませてあげられる仕組みがあるのが理想です。
一方で、介護の相手が自分の子どもやパートナーのように若い場合は、本人がこの先ずっと付き合っていく問題になり、期間の決まった休業・休暇では対応しきれません。今の働き方を続けるのが難しければ、契約社員に切り替えるといった選択肢を、引き出しとして持っておけるとよいでしょう。
もちろん会社にも限界があるので、基本は規定をしっかり決めておき、「寄り添いたいが、会社としてはここまで」と説明するほかありません。休暇や数か月の休業は一時的な対応として必ず設けておき、それで終わらないケースのほうが多いと考えて、その先の選択肢を整理しておきます。
働き方を変える選択肢は、本人が希望し、納得したうえで選ぶものです。会社から一方的に契約を変えることはできず、介護休業などの申し出や利用を理由にした不利益な取り扱いは法律で禁止されています。
就業規則と規模で変わる点
2025年4月・10月の改正の多くは、規模にかかわらずすべての会社が対象です。子の看護等休暇の取得事由の拡大や、3歳から就学前の柔軟な働き方の措置などは、就業規則(育児・介護休業規程)の見直しが要ります。まだ直していなければ、厚生労働省の規定例を見比べて追加します。
規模で変わるのは、男性の育児休業の取得率の公表です。2025年4月1日から、従業員が300人を超える会社は、年に1回、男性の育児休業等の取得率などをインターネットなどで公表しなければなりません。
書類のリストを先に持つ
育児休業・介護休業の手続きで会社がつまずくのは、制度の難しさよりも、期限を誰も知らせてくれないことです。報告を受けたら冊子で制度を説明して日付を回収し、書類のリストに期限を書き込み、時期が来たものから進める。戻るときは、新しく入る人と同じように迎える準備をする。この形を一度作っておけば、数年に一度の手続きでも毎回調べ直さずに済みます。
制度の中身は、次の一次情報で確かめられます。育児・介護休業法の制度と改正の内容は厚生労働省の育児・介護休業法についてと育児・介護休業法のあらまし、育児休業給付の内容と申請の期限は育児休業等給付について、延長の手続きは保育所等に入れなかったことを理由とする延長手続きの変更にあります。保険料の免除は日本年金機構の産前産後休業の保険料免除と育児休業等の保険料免除、復帰後の見直しは育児休業等終了時報酬月額変更届と養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置、出産手当金は協会けんぽの出産手当金で確かめられます。
更新履歴
- 2026年10月9日: 計算ツールを追加
- 2026年10月1日: 公開