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休暇・休業 テーマ別ガイド

有給休暇は何日付与する?パートの比例付与から、付与・取得の管理を仕組みにする方法まで

年次有給休暇(有給)を何日付与すればよいか、付与日をどう管理すればよいかを、担当者の目線でまとめた記事です。付与日数の表と計算ツールに加えて、手作業を減らす付与の管理、契約を変えた人の扱い、年5日の取得を確実にする段取りまで扱います。

この記事で分かること

  • 入社から何か月後に、何日付与するか(計算ツールつき)
  • パート・アルバイトの日数(比例付与)の計算式と、月の日数で契約している人の判定
  • 付与されない人を出さないための、出勤率8割の考え方
  • 付与日の管理を、手作業からシステムの自動付与に移す考え方
  • 契約を変えた人の日数と、有給を取った日の賃金
  • 年5日の取得を、期限ぎりぎりで慌てずに進める段取り

付与日数の表と計算ツール

有給は、入社から6か月続けて勤め、その間の出勤率が8割以上なら付与します。その後は1年ごとに、勤続年数に応じて日数が増えます。週4日以下で、かつ週30時間未満のパート・アルバイトの人は、働く日数に応じて少ない日数になります(比例付与)。

付与日数の早見表(勤続期間ごと)
週の日数月の日数6か月1.5年2.5年3.5年4.5年5.5年6.5年〜
5日以上19日以上10日11日12日14日16日18日20日
4日15〜18日7日8日9日10日12日13日15日
3日11〜14日5日6日6日8日9日10日11日
2日7〜10日3日4日4日5日6日6日7日
1日4〜6日1日2日2日2日3日3日3日
  • 週30時間以上働く人は、日数に関係なく一番上の行(週5日以上と同じ日数)です。
  • 月単位で日数を決めている人や、曜日が決まっていない人の判定は、次の節で説明します。

次のツールで、入社日と働き方を選ぶと、付与日と日数が分かります。

有給休暇の付与日数を計算

入力した内容は送信されません(このページの中だけで計算します)

曜日が決まっていない人は、1年間の所定労働日数(かっこ内)で選びます。

付与した有給は、使わなければ翌年に繰り越せますが、付与から2年で時効により消えます。そのため、手元に残る日数は最大で2年分(勤続6年6か月以上なら40日)です。

退職する人から、残っている有給をまとめて使いたいと言われたときの対応は、次の記事で説明しています。

詳しく読む退職時の有給消化は拒否できる?人手不足の会社が取れる4つの手と逆算スケジュール

パート・アルバイトの比例付与

比例付与になるかどうかは、「パートかどうか」という呼び方ではなく、契約で決めた働く時間と日数で決まります。

比例付与になるかどうか
契約の内容付与
週30時間以上通常の付与(日数に関係なく)
週30時間未満で、週5日以上通常の付与
週30時間未満で、週4日以下比例付与
週の日数が決まっていない人で、年216日以下(かつ週30時間未満)比例付与

たとえば1日6時間・週5日の人(週30時間)は、パートでも通常の付与です。逆に、1日7時間・週4日(週28時間)の人は比例付与になります。

日数の計算式

早見表の比例付与の日数は、「通常の付与日数 × 週の所定労働日数 ÷ 5.2」を、1日未満切り捨てで計算したものです。5.2は、通常の働き方の人の週の所定労働日数として法令で決められている数です。

計算例: 週3日で働く人の、入社6か月の付与日数

10日 × 3日 ÷ 5.2 = 5.76… → 5日

早見表の週3日・6か月の5日と一致します。

ふだんは早見表で足ります。ただ、従業員から「なぜこの日数なのか」と聞かれたときに、式で説明できると納得してもらいやすくなります。

月の日数で契約している人

週の曜日を決めずに「月◯日」で契約している人は、1年間の所定労働日数(月の日数 × 12)で区分を判定します。区分の境目は、年216日・168日・120日・72日です。早見表の「月の日数」の列は、毎月同じ日数で働く場合にこの境目へ当てはめたものです。

月の日数と、比例付与の区分
月の日数年間の日数区分
19日以上228日以上通常の付与(週5日以上と同じ)
15〜18日180〜216日週4日の区分
11〜14日132〜168日週3日の区分
7〜10日84〜120日週2日の区分
4〜6日48〜72日週1日の区分

月◯日の契約は、社会保険の「週20時間」の判定でも、週ごとの増減を月の中に収める方法として使えます。たとえば1日5時間・月15日の契約なら、社会保険は週20時間を下回り(週約17.3時間)、有給は週4日の区分です。社会保険の判定の考え方は、次の記事で説明しています。

詳しく読む106万円の壁と130万円の壁の違いは?撤廃後に残る「週20時間」と手取りの確かめ方

シフト制で、働く日数が決まっていない人

シフト表で初めて働く日が決まり、契約に週や月の日数を書いていない人は、付与日の時点の所定労働日数が出しにくくなります。厚生労働省は、シフト制で働く人の雇用管理の留意事項を2026年6月19日に改正し、このような場合は、実績の労働日数を1年間の所定労働日数とみなして付与日数を出してよいことをはっきりさせました(厚生労働省のリーフレット「『シフト制』で働く場合の年次有給休暇について」)。

シフト制で日数が決まっていない人の、1年間の所定労働日数の数え方
付与の時点1年間の所定労働日数とみなす日数
入社から6か月後入社から6か月間の労働日数の実績 × 2
入社から1年6か月後より後前の1年間の労働日数の実績

計算例: シフト制で働く人の付与日数

入社6か月の実績が78日 → 78日 × 2 = 156日(週3日の区分) → 5日 / 入社1年6か月の前の1年間の実績が96日(週2日の区分) → 4日

区分の境目は、年216日・168日・120日・72日です(上の月の日数の表と同じ)。

契約で「月10日程度」のような目安の日数を決めている場合、入社6か月の付与では、目安の日数が実績から出した日数より多いときに限り、目安の日数を使えます。入社1年6か月後より後の付与では、目安の日数は使えず、実績で数えます。勤怠システムで、付与日の前の6か月・1年の出勤日数を出せるようにしておくと、付与のたびに迷わずに済みます。

付与の条件: 出勤率8割

付与の条件の「出勤率8割」は、出勤した日を、会社が決めた労働日(全労働日)で割って計算します。次の日は、休んでいても出勤したものとして数えます。

出勤率の計算での日の扱い
日扱い
有給を取った日出勤したものとして数える
業務上のけがや病気で休んだ日出勤したものとして数える
産前産後の休業・育児休業・介護休業の期間出勤したものとして数える
会社の都合で休ませた日全労働日から除く
私傷病などの欠勤欠勤として数える

育児休業・介護休業の手続きの流れは、育児休業・介護休業の手続きの記事にまとめています。

付与の日数そのものを間違えることは、システムで自動付与していればまずありません。それより多いのは、従業員からの「付与されていない」という問い合わせです。欠勤が多くて出勤率が8割に届かず、本人が付与されるはずと思っていた日に付与されない、というケースです。現場では、付与日が近づいた人の出勤率を見て、「今のままだと付与されません」と本人に前もって知らせるようにしておくと、問い合わせが減ります。

付与日の管理は自動付与に任せる

付与日は入社日ごとに違うので、人数が増えるほど「今月は誰に何日付与するか」の管理が大変になります。

労務の現場から

付与は勤怠管理システムの中で管理するのが最も確実です。法律どおりの付与であれば、たいていのシステムには自動付与の機能が付いています。会社独自のルールで付与している場合は、システムに設定するのに少し工夫が要るので、勤怠管理システムを選ぶときに、自社のルールに対応できるかを確かめておきます。

有給の管理で担当者に一番伝えたいのは、手作業の手間をとにかく減らすことです。自動で付与され、取得した分が自動で差し引かれる状態を作れば、確認は年に数回、毎月付与がある会社でも月1回程度で済みます。その分の時間を、ほかの実務に回せます。

入社日ごとの付与日をやめて、全員の付与日を年1回などにそろえる「一斉付与(斉一的取扱い)」を使う会社もあります。付与の手間が減るだけでなく、年5日の取得の管理もしやすくなります。

入社日ごとの付与と一斉付与の比べ方
項目入社日ごと一斉付与
付与の管理毎月、対象者が変わる。システムの自動付与が前提年1回などにまとまる
年5日の取得の管理人ごとに期限が違う全員の期限がそろう
決まりごと法律どおり法律の基準日より前倒しで付与する。前倒しで短くなった期間は、出勤したものとして扱う
従業員への説明特に要らない入社時期によって、最初の付与までの期間が人ごとに違うことを説明する

一斉付与は管理が楽になる一方で、入社した時期によって「自分は最初の付与が早い・遅い」と感じる人が出ます。従業員に不利にならない形(前倒し)で設計していることを、就業規則と一緒に説明できるようにしておきます。

契約を変えた人の日数と賃金

パート・アルバイトの人は、働く日数や時間を途中で変えることがよくあります。有給の日数と、取ったときの賃金は、それぞれ次のタイミングの契約で決まります。

契約を変えた人の有給
何が決まるタイミング例
付与する日数付与する日の契約それまで週5日でも、付与日に週4日の契約なら、週4日の日数を付与する
1日分の有給の時間(賃金)有給を取る日の契約1日6時間のときに付与された有給でも、1日5時間の契約に変えた後に取れば5時間分になる

計算例: 時給1,300円の人が、1日5時間の契約から1日4時間の契約に変える場合

変える前に1日取る: 1,300円 × 5時間 = 6,500円 変えた後に1日取る: 1,300円 × 4時間 = 5,200円

同じ1日の有給でも、取る時期によって受け取る額が変わります。

労務の現場から

このしくみがあるので、契約の見直しのタイミングには注意が要ります。従業員の目線で言えば、契約時間を減らす予定があるなら、予定にもよりますが、減らす前に有給を使ったほうが得になります。

もう一つ気をつけたいのが、契約と実際の働き方のずれです。契約は週4日なのに実際には毎週5日働いている人は、週5日の契約で同じように働く人と、付与される日数が違ってしまいます。実態は同じなのに日数が違う、という不満や問い合わせにつながるので、実際の日数が契約とずれてきたら、早めに契約を見直します。

定年の後に再雇用した人のように、契約の形が変わっても実態として同じ会社で働き続けている人は、勤続年数を通算して付与日数を決めます。再雇用の進め方は、定年後の再雇用の記事で説明しています。

有給を取った日の賃金

有給を取った日の賃金は、次の3つのうち、就業規則で決めた方法で払います。

有給を取った日の賃金の決め方
方法中身使うための条件
通常の賃金その日に所定労働時間働いたときに払う賃金就業規則で定める
平均賃金直前3か月(賃金の締め日がある場合は、直前の締め日から3か月)の賃金の総額を、その期間の暦日数で割った額就業規則で定める
標準報酬日額健康保険の標準報酬月額の30分の1労使協定が必要

現場では、ほとんどの会社が「通常の賃金」で払っています。平均賃金や標準報酬日額も制度としては選べますが、多くの場合は通常の賃金より低くなります。世の中の多くの会社が通常の賃金で払っている中で、それを下回る方法をあえて選ぶのは現実的ではありません。基本は、その人の通常の賃金を払うと考えておけば十分です。

時給で働く人や、日によって勤務時間が違う人は、「その日に働くはずだった時間」で計算します。シフトで時間が決まっていない日に取る場合の決め方は、あらかじめ就業規則やシフトのルールで決めておきます。

時間単位年休と半休

有給は1日単位で取るのが原則ですが、会社の決め方によって、もっと細かい単位でも取れます。

時間単位年休と半休の違い
項目時間単位年休半休
導入の条件労使協定を結ぶ就業規則などで決める(従業員が希望し、会社が認める形)
上限年5日分まで法律上の上限はない
年5日の取得義務との関係取った分は、5日に数えない取った分は、0.5日として数える

時間単位年休の労使協定では、対象になる人の範囲、時間単位で取れる日数(5日以内)、1日分の有給が何時間にあたるか、1時間以外の単位で取らせる場合はその単位、を決めます。

時間単位年休や半休は、フレックスタイム制など柔軟な働き方を入れている会社なら、使いどころがあります。ただ、どちらも会社の義務ではありません。管理の手間も増えるので、必要になるまで急いで入れなくてよい、というのが現場での考え方です。

年5日の取得を確実にする段取り

年10日以上の有給を付与した人には、付与した日(基準日)から1年以内に、5日を取らせる義務があります。本人が自分で取った日と、計画的付与で取った日は、5日に数えます。足りない分は、会社が本人の意見を聞いたうえで取る日を指定します(時季指定)。時季指定をするなら、その対象と方法を就業規則に書いておく必要があります。就業規則に足すときの手順は、就業規則の記事で説明しています。

計画的付与は、労使協定を結べば、有給のうち5日を超える分について、取る日を会社があらかじめ決めておける仕組みです。夏休みや年末年始に全社で休む日にあてる方法や、部署・個人ごとに取る日を計画表で決める方法があります。ここで取った日も年5日に数えるので、取らない人が多い職場では、年5日を確実にする手段になります。

比例付与の人でも、勤続年数が長くなって1回に10日以上付与されるようになると対象になります。週4日の人は勤続3年6か月の付与から、週3日の人は勤続5年6か月の付与からです(週2日以下の人は、最大7日なので対象になりません)。

あわせて、人ごとに付与日・日数・取った日を記録した「年次有給休暇管理簿」を作り、保存します。保存期間は、有給を与えた期間中とその後5年間で、当分の間は3年間でよいとされています。勤怠管理システムの有給の画面を、そのまま管理簿として使える場合も多くあります。

「本人が遠慮して取らなかったから義務を果たせなかった」は通らない、というのが今の実情です。会社の側も、取れるように工夫することが求められています。

労務の現場から

期限の直前になって慌てるのではなく、前もって管理することが必要です。残り3か月になってから取得を促しても、ちょうど繁忙期にあたって取れない、ということがよくあります。

目安にしているのは、予定がなくても月1回くらいのペースで取る習慣です。これができていれば、無理なく5日に届きます。逆に、残りの月数に対して月1回を上回るペースで取らないと届かない人が出てきたら、声かけを強めます。

  1. 付与から半年で、全員の取得状況を確かめる付与から6か月四半期ごとに見られればなおよいですが、少なくとも半年の時点では必ず一度確かめます。
  2. 月1回ペースに届かない人に声をかける残り4か月たとえば残り4か月で、まだ5日残っている人には、取得を促す声かけを強めます。まとめて取る予定がある人は、その予定を確かめます。
  3. 個別に取る日を出してもらう残り3か月を切ったら全体へのお知らせではなく、一人ずつ「いつ取るかを出してください」と頼み、返事をもらって確実に追いかけます。
  4. それでも届かない人は時季指定をする期限の前本人の意見を聞いたうえで、会社が取る日を指定します。

詳しいルールは、厚生労働省の年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説と、確かめよう労働条件(年次有給休暇)にまとまっています。

更新履歴

  • 2026年10月22日: シフト制で働く日数が決まっていない人の付与日数(実績による数え方)を追加
  • 2026年10月1日: 関連する記事へのリンクを追加
  • 2026年9月30日: 公開